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【スターメディア通信】 2010.10.31.第37号
T. 木星と土星のオポジット 
             ― 忍耐は十分か、その理想は本物か ―
U. カーディナルの天体の位置関係
V. 社会的に重大な出来事でカーディナルに天体があるかどうか
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T. 木星と土星のオポジット
             ― 忍耐は十分か、その理想は本物か ―
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 「理想に基づいて行動したのに失敗した」場合、主な原因は二つ考えられます。一つは、理想の実現に必要な忍耐が欠けていたこと、もう一つは理想がどこか間違っていたことです。原因が片方だけのこともあれば、両方のこともあるでしょう。

 木星と土星のオポジットは、理想が本物かどうか教えてくれる良い機会になります。木星は理想を象徴し、土星は忍耐を象徴しますが、この2つの組合せが生む忍耐の大きさはとても大きなものです。また理想が真のものかどうか、砕け散らないか試されるでしょう。

 2010年と2011年の2年間で木星と土星のオポジットは全部で3回あります。今年の分はすでに終わったので、残すは2011年の分です。

2010/5/23 ●木星(うお27度52分)と土星(逆行・おとめ)のオポジット
2010/8/17 ●木星(逆行・おひつじ2度26分)と土星(てんびん)のオポジット
 5/23、8/17の解釈はスターメディア通信第35に記載しました。
 http://www.starmedia.ne.jp/mail35.html

2011/3/29 ●木星(おひつじ14度21分)と土星(逆行・てんびん)のオポジット

 2011年3月29日のオポジットは、最大で前後3週間(3/19〜4/9頃)影響があると見てよいですが、個人・組織・社会・国により影響期間は異なります。

 他の天体配置を考慮するとこのオポジットが良く働くところでは、力や勇気は建設的であり、理想を構築する力となり、忍耐のうちに目的が達成されるでしょう。

 このオポジットが悪く働くところでは、忍耐不足から理想が直接的な破壊に及ぶ側面があり、後悔と反省を生みます。

 木星と土星の2つの天体は、法律を教える人、官僚、政治家、高位の聖職者を表すために、この職業についている人たちの中にこの2天体の影響を受ける人たちいます。影響はその下部にも広がります。

 木星と土星が表す社会的な問題で顕著なものは雇用問題です。サインから考えられるのは畜産業界、自動車産業などです。

● 理想について

 人間、自分の魂の声、真の声に基づいて行動しているときは、理想に近い形で物事が進みやすいです。しかし、よからぬ理想を掲げたときや、忍耐が不足していたときは、あまり達成できないことが多いです。

 家庭や個人は、社会や国家を構成する要素です。この構成要素で起こる出来事は、社会や国の状態を表していることがあります。一方で、社会や国で起こる出来事は、家庭や個人に対して、重要な影響を及ぼすことがあります。国家を一つの身体に例えるなら、個人や家庭は身体の部位や細胞に該当するといえるでしょう。私たちは日本を構成している重要な要素であり、互いを必要としている関係です。

 この考え方は世界についてもいえます。世界が一つの身体であれば、各国は身体の部位に相当するでしょう。互いに存在して成り立っています。

 各自が自分の居場所で、より良い状態で理想を把握しながら活動できることはとても大切なことです。

● 木星と土星の間に冥王星、忍耐の大切さ

 2010年8月17日の木星と土星のオポジットでは、やぎ2度59分に冥王星があり、Tスクエアでした。冥王星が木星と土星の中間に入り込むときは(ミッドポイントのこと)、とてつもない困難や課題を、苦労と思わずに熱心に忍耐強く長期間取り組み、達成する意味あります。この他、乱暴な変化、別れ、何かを制限する意味があります。これは適切な理想を掲げて忍耐強く取り組むなら私たちが困難を打破できる印でもあります。

 2010年8月5日に発生したチリの落盤事故(10月14日に全員救出)は、この3つの天体の組合せの意味に合致するところが多いです。またこれが理想と忍耐、一体となった協力という面でも重大な意味を持つ出来事でした。


● 理想や経済問題を掲げた詐欺
    
 理想や魂の声を把握するワークショップに参加したら、それが有効なものかどうか現実的に考える冷静さをもつことは大切です。経済問題のワークショップも同様です。

 海王星は良い時は霊的な覚醒に関与することがあります。海王星はアーティストやスピリチャル系の人を表すこともあります。しかし海王星は、詐欺師が活躍するときや、物事を現実的に把握できないときに必ず出てくる天体です。海王星は要注意です。海王星で表される詐欺師は時々、とても良い人に思われていることがあります。海王星が海外を表すことから、外国人だからよさそうに思えるということも同様です。

 海王星は2011年4月4日までみずがめにあり、その後うおに移動します。みずがめにある間、海王星は木星と土星の両方に影響を及ぼしています。良い理想を引き出そうとする一方、困難な状況に直面する人、困難打破のために全身全霊で活動する人たちを騙そうとする人がいるということです。

 冥王星は破壊、再生を表しますが、影響力のある人、嘘つきを表すことがあります。大げさに世界を語ること、自分だけが預言者であるかのように吹聴すること、嘘をついて利己的に利益を上げる人物の象徴です。彼ら時々スピリチャル系や偽物の『秘術』を看板にしていることがあります。この『秘術』は例えば、クライアントが幸運期に入る前に高額に施されるもので、秘術がなくても元々幸運になるのにもかかわらず、秘術のおかげだと言い切るのです。冥王星で表される人は、海王星で表される人と連携することがあるので、本質が見破り難いことがあります。この両方の影響を持っている人が悪く行動するときは、被害者に気づかれないように善人の皮をかぶったまま吸血する寄生虫になります。現在の天体配置では、こういう種の悪人も出てきやすいです。

 とはいえ、善行をしている人もいますから現実的に判断することは重要です。常に現実から自己判断することは忍耐のいることですが、最も大切なことだと思います。

● 私たちの日本の経済のこと

 日本経済が借金増大で苦境に陥っていることは、何年も前から日本人はよく知っています。2011年の赤字増大、それがリーマン・ショックよりも前に原因ができていること、近年の政策の影響があることもです。重要なことは、現在それを改善しようと努力している真っ最中にある、ということです。
 
 日本において私たちは何があっても忍耐を忘れず、連携して、励ましあって乗り越えたいものです。私たちは、今のこの時期から、自分の人生の真の理想、自分の日常のあり方を十分に見つめることで、来春、より良いものを構築できると思います。

*天文データ引用元:Stargazer占星暦2010年、2011年版
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U. カーディナルの天体の位置関係
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 カーディナルクライマックスとは、カーディナルサイン(おひつじ、かに、てんびん、やぎ)に木星以遠の天体が入ることで、その間地球上に様々な変化が生じるというものです(情報源はmerriman.jp)。木星以遠と書いているので木星が含まれるようです。私はこの言葉を使うのがこの通信が初めてで、できればこれを最後にしたいです。

 カーディナルサインは、古くから物事が急速に進みやすいサインとして知られています。しかし別にカーディナルサインに入っていなくても、地球規模の変化が生じることは知られています。

 この間、経済問題を語る一部の占星術家が口にしているのはカーディナルクライマックスです。前回の世界恐慌ではカーディナルクライマックスがあったから、今後はカーディナルクライマック以降に、リーマンショックよりも深刻な経済問題があるのだと主張するのです。今年の夏以降に恐慌並みのことが起こるというわけです。簡単な騙し文句ですがこれにコロリと簡単に引っかかる人はいるようです。

● 世界恐慌

 世界恐慌は1928年10月24日、ニューヨークで始まりました。1914-18年の第一次世界大戦後の影響がまだ残る中で、繁栄していた米国経済が不況に陥ったことから始まり、世界規模で不況に陥ったというものです。世界恐慌の期間は大体1933年頃までといわれています。

世界恐慌の頃のカーディナルサインの天体(木星以遠)。
1928年10月24日 は冥王星:かに、天王星:おひつじだけでした。

1929年 冥王星:かに  天王星:おひつじ 土星:いてとやぎ
         ふたごの木星といての土星がオポジットを完成している年。

1930年 冥王星:かに 天王星:おひつじ 土星:やぎ 木星:かに(1-6月)
1931年 冥王星:かに 天王星:おひつじ 土星:やぎ 木星:かに( -7月)
1932年 冥王星:かに 天王星:おひつじ 土星:やぎ(1-2月 8-11月)
1933年 冥王星:かに 天王星:おひつじ         木星:てんびん(9月-)

 世界恐慌時の最大の特徴の一つは、土星と冥王星のオポジットに天王星が入り込むTスクエアです。このミッドポイントには、恐れないこと、最も困難な状況下で突然決断できること、突発的な乱暴な行動の意味があります。

● リーマン・ショック

 リーマン・ショックは2008年9月15日に起きた金融危機の呼び名です。リーマン・ブラザーの破綻の影響で世界経済に不況が到来しました。原因は、2005年にピークだった大規模な詐欺事件、米国のサブプライム住宅ローンにあります。

 2008年9月、木星以遠の天体でカーディナルに位置していたのはやぎの木星だけでした。

● 2009年以降のカーディナルの天体のこと

土星と天王星のオポジションはこの間5回ありました。2010年7月が最後です。
     詳細はこちらhttp://www.starmedia.ne.jp/mail30.html

従って2011年以降は、土星と天王星と冥王星のTスクエアは完成しません。

しかしながら土星と天王星の間に冥王星が入り込むミッドポイントは時々生じます。例えば2010年9月上旬、2011年4月上旬です。このミッドポイントの意味は、乱暴な行動、類稀な努力をして困難を打破しようとすること、運命に逆らおうとすること、大きな力による損失(天災など)です。大変な困難にあります。しかし一方で、この時期木星が良い状態にあるため、しっかりとした理想と忍耐があれば、改革が進みます。


 問題の本質を表さないカーディナルクライマックスは私の中では死語です。一見便利に見える言葉が一人歩きするところに、リーマンショックが生じた原因に通じるものがあります。発祥地は米国だろうと想像します。語呂のよさからしばらく流行るとは思いますけれどもどうなるでしょうか。

 いずれにしても重要なことは天体の位置関係と動き、全体の状況であり、私たちが現実的に主体的に考え、明確な理想を打ち立てて行動することです。

* 天文データ引用元:Placidus NK 5.0
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V. 社会的に重大な出来事でカーディナルに天体があるかどうか
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 あなたから見て、20世紀の重大な出来事は何ですか?
 その時期、カーディナルに天体が集中していたでしょうか。

 私が20世紀の重大な変化を二つ上げるなら、決まって次のものです。

 一つは広島と長崎への原爆の投下です。これは米国により投下されました。
 1945年8月15日 冥王星は太陽と共にししにありました。土星は金星と共にかに、海王星はてんびん、木星と水星はおとめ、火星と天王星はふたご、月はさそりでした。

 もう一つは1948年のイスラエル独立です。人類の歴史の中で重要な出来事です。長年流浪の民であったユダヤ人が自分の国を持ったからです。第二次世界大戦の結果生じた出来事です。1948年、天王星はほとんどふたごにあり、短期間かににありました。海王星はてんびん、冥王星はしし、土星はおとめ、木星はほとんどいてにあり、11月以降やぎです。

* 天文データ引用元:Placidus NK 5.0
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★☆★ 編集後記 ★☆★
・皆様、いかがお過ごしですか。
 スターメディアでは、9月15日にサイトをリニューアルしました。
 ピックアップ鑑定を不定期にサイトに掲載しています。ペースは今のところ、週1回程度です。今週はまだ書いていません。 ネタはあるのですが、厳選して書きたいと思います。

・今号は文章が長いなぁ。
今日と明日、金星はさそり3度ですね。
月がもっとも落ち込む度数ですが大切な役割があるのですね。

以前27号で、なぜさそりで天体が高揚しないのか、アンティオコスから引用しました。最近これをよく思い出します。

 月はすべてのものにとって、幸運なもの。
 このため、幸運が誰かを高めても、誰も押しつぶされることはないだろう ということ。
 誰かの幸せが押さえ込まれている間は、誰も高められない、ということ。

・皆様、どうぞ健やかにお過ごしください。
 これからもよろしくお願いいたします。

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◆次号第38号は2010年12月末頃にお届けする予定です。◆
 それまでにメールが発行される場合は、臨時増刊号になります。
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スターメディア通信 2010.10.31.第37号
発行責任者 森谷リリ子
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緑色の文字は、配信時の誤字脱字を修正した箇所です。2010.11.12.


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