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【スターメディア通信】 2011.5.31.第40号
T. トリプリシティ(triplicity)を使って占う
U. スターメディアの通信講座開設のお知らせ
V. 第38号の「ある年齢での気質・体質を占う方法」に関連して
W. Stargazer 占星暦 2012年版  5月23日出版
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T. トリプリシティ(triplicity)を使って占う
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トリプリシティとは、エレメントのエッセンシャルディグニティのことです。今回は、このトリプリシティのルーラー(支配星)を使った、ネイタル占星術の鑑定方法をご紹介します。情報源はロバート・ゾラーの次のアーティクルです。

Guido Bonatti on the use of the Triplicity Rulers in the delineation of the houses in natal figures / by Robert Zoller
掲載場所:Considerations Magazin Volume IX, No.2
* Considerationsはすでに廃刊しており、入手不可です。

この鑑定方法は中世のアラブの占星術家が書いたものですが、著者はわからないそうです。以下の説明はこの通信のために、アーティクルに沿って私がまとめたものです。翻訳や引用ではありません。


アーティクルの中で、ゾラーはボナタスのトリプリシティを掲載しています。

グイド・ボナタス(1210?-1290?) は、13世紀のラテン語圏の占星術家です。ボナタスはラテン語に翻訳されたアラビアの占星術の本を読み、占星術を習得した人物で、政治活動に占星術を利用したことでも知られています。

ボナタスがLiber Astronomiaeに書いているトリプリシティのルーラーは次の通りです。

おひつじ しし いて(エレメント:火)
 昼      太陽
 夜      木星
 昼と夜    土星

おうし おとめ やぎ(エレメント:地)
 昼      金星
 夜        月
 昼と夜    火星

ふたご てんびん みずがめ(エレメント:風)
 昼      土星
 夜      水星
 昼と夜    木星

かに さそり うお(エレメント:水)
 昼      金星
 夜      火星
 昼と夜     月

これから解説する鑑定方法の一つについて、ロバート・ゾラーは、ボナタスのトリプリシティを、昼については、昼のルーラーを第1トリプリシティ、夜のルーラーを第2トリプリシティ、もう一つを第3トリプリシティとしています。夜については、夜のルーラーを第1トリプリシティ、昼のルーラーを第2トリプリシティ、もう一つを第3トリプリシティとしています。

これは、1世紀のドロセウスのトリプリシティと同じです。ドロセウスのトリプリシティのルーラーを、第1、第2、第3トリプリシティの順にまとめました。

おひつじ しし いて(エレメント:火)
 昼  太陽 木星 土星
 夜  木星 太陽 土星

おうし おとめ やぎ(エレメント:地)
 昼  金星  月 火星
 夜   月 金星 火星

ふたご てんびん みずがめ(エレメント:風)
 昼  土星 水星 木星
 夜  水星 土星 木星

かに さそり うお(エレメント:水)
 昼  金星 火星  月
 夜  火星 金星  月


●トリプリシティを使ったアラビア由来の鑑定方法 その1

第1ハウスから第12ハウスのカスプのサインのトリプリシティを使います。人生全体をざっくりと3つの期間に分けて占うのが特徴です。大まかに分けることはここでは意味のあることです。

さて、例えば現金収入のような動産を占う場合は第2ハウスに着目します。夜生まれで、出生図の第2ハウスが火のサインの場合、動産について

木星は、人生の最初から最後まで
太陽は、人生の2番目の期間
土星は、人生の3番目(最後)の期間

を支配します。その人のホロスコープで、もし、太陽が第5ハウスにあれば人生の2番目の期間は、子供、両親や実家のお金、投機など、第5ハウスに表示されることから収入を得る傾向があります。もしこの太陽が、状態の悪い火星や土星に、アスペクトや合でアフリクトされていれば、収入の規模は小さく、苦労を伴うことになります。

木星の位置はこの人物の人生全般の動産の傾向、土星の位置は人生の3番目の期間の動産の傾向を表します。その際の鑑定方法は、上の太陽を読みとった方法のようにホロスコープのどのハウスに木星や土星が位置 しているのか、木星や土星の強さ、他の天体との関係などを考慮して読み取ります。

第1ハウスから第12ハウスまで、上述のような方法で人生を3つの期間に分けて占うことができます。


●トリプリシティを使ったアラビア由来の鑑定方法 その2

この鑑定方法は昼生まれ、夜生まれは、区別しません。
3つのトリプリシティのルーラーの中でどれが一番強いか調べます。この一番強いルーラーを使って読み取ります。

例えば、第2ハウスが地のサイン、金星がおうしで第5ハウス、火星がうおで第3ハウス、月がおひつじで第4ハウスにあるとします。金星は3つの天体の中でエッセンシャルディグニティが最も強く、居心地の良い第5ハウスにあるため、3つのルーラーの中で最強です。

この場合、生涯全般の動産の傾向は、第5ハウスに関連することから利益と喜びがあり、幸運が見込めます。


以上、トリプリシティを使った鑑定方法を2種類、ロバート・ゾラーのアーティクルより紹介しました。

第1ハウスカスプから第12ハウスカスプまで占ってみると、サインのルーラーを単独で読む場合よりも詳細が読み取れると思います。

一見簡単そうですが、総合力の要求される鑑定方法です。
ハウスカスプとトリプリシティを使うところが、いかにも、古典占星術らしいですね。

* 参考情報:トリプリシティ  http://www.starmedia.ne.jp/page11.html

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U. スターメディアの通信講座開設のお知らせ
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今月の5月11日に、スターメディアで通信講座を開設しました。
現在、入門編があります。

入門編では、古典占星術(伝統的占星術)の概要を解説しています。

テキストは2冊あります。
一つは専用のテキストです。これは占星術家あるいはこれから占星術家をめざす人を対象にしているため、専門用語は惜しげなく使っています。

もう一つは「占星術の起源」です。この本は、西洋占星術を知らない人が、基礎的なことを理解できるように配慮して書いたものです。一般向けの解説なので、講座の専用のテキストとは違う視点で解説している箇所があります。図解も多いため、入門書として有効な本です。

しっかりと準備して作り上げた通信講座の入門編です。ぜひご受講ください。

通信講座の詳細とお申込みは次のリンク先をご覧ください。
http://www.starmedia.ne.jp/school.html

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V. 第38号の「ある年齢での気質・体質を占う方法」に関連して
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第38号に、ある年齢の気質・体質を、出生図から読み取る方法があると書きました。今回は、その読み取る方法の一つを書きます。

占断方法は、フィルダリアです。とても簡単な読み方を書きますが、実際にチャートを読む際は総合力が必要です。では、さっそく本題です。

昼生まれの女性の出生図で、第5ハウスに月と土星があるとします。通常、この情報だけで妊娠の時期の体調と食事の管理は、特に配慮が必要だと考える人はいると思います。私もその一人です。

この女性のアセンダントとルーラーがホットでドライだとしましょう。

フィルダリア http://www.starmedia.ne.jp/firdaria.html では、月と土星が支配する時期に月と土星に関連した物事が起こりやすい、としています。

この女性は32.3〜33.6歳の時期は、月と土星が支配しますから、そのぐらいの年齢になると元々、モイストになりやすいのです。また、その時期に妊娠しやすく、妊娠すると、平時よりも体調管理のことで悩まされる出来事を体験しやすいです。
* 32.3〜33.6歳の時期:これはおおよその期間で捉えた方がよいです。

土星が関与していますから、熱が出たり、冷えたり、のぼせたり、悪寒が走ったりと、不安定な熱の変化が生じることがあるわけです。また、食欲が落ちることがあるでしょう。

実際の鑑定では、月と土星のサイン、それぞれのサインのルーラーのあるハウスなども考慮することになり、更に付け加える情報が出てくるでしょう。

フィルダリアは、気質や体質を占う専用のツールではありませんが、こうやって読み取ることができます。


ここから余談です。
ペルシャ占星術のフィルダリアでは、出生図やソーラーリターン図の天体のアスペクトが、ハードかソフトかはあまり問題としない考え方があります。

例えば、政治家として大出世する時期に、第10ハウスに関連した天体がオポジットを形成していても、それがその時期の支配星同士で、なおかつ、ミューチュアルリセプションであれば、フィルダリではその事は起こりやすい、と判断します。アスペクトがハードかソフトかは問題ではありません。

もしあなたが、出生図やソーラーリターン図でハードアスペクトなのになぜ物事が成就しているのか疑問に思うようなチャートを知っていたら、一度フィルダリアの視点でチャートをご覧ください。必然的な出来事だったとわかる事例が出てくると思います。

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W. Stargazer 占星暦 2012年版  5月23日出版
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Stargazer 占星暦2012年版が出版されました。
当店でも販売しています。皆様、ぜひご利用ください!

この通信を発行している5月31日現在、2010年版の最後の1冊が当店にあります。
2011年版も販売中です。

ご利用をお待ちしております。
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★☆★ 編集後記 ★☆★
・ 東北関東大震災で被災された皆様に、謹んでお見舞いを申し上げます。
 すべての被災地が、一日も早く安全に復興するように願ってやみません。

・ 震災とは別に、いろんな人生が展開しています。苦境にある方々、長年の困難からようやく脱出した方など、身近にいます。多くの命と人生が、色んな場所で展開していることを冷静に受けとめる大切さを感じています。

・ 昔、塾の講師や、添削指導員をしていた時期がありました。今回の通信講座の開設では、昔の経験が生かされました。(^-^)

・ 皆様、どうぞ健やかにお過ごしください。笑顔を大切にしましょう。
 これからもよろしくお願いいたします。
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◆次号第41号は2011年7-8月頃にお届けする予定です。◆
 それまでにメールが発行される場合は、臨時増刊号になります。
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このスターメディア通信はお申込みいただいたお客様に対して無料で配信されています。
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スターメディア通信 2011.5.31.第40号
発行責任者 森谷リリ子
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転載・引用の際は、事前に必ずご連絡ください。
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