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■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■ 【スターメディア通信】 2012.7.22.第45号 Ⅰ. レジオモンタナスの手書きの本の翻訳（羅→英） Ⅱ. レジオモンタナス法 Ⅲ. 知識の目的 ■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Ⅰ. レジオモンタナスの手書きの本の翻訳（羅→英） Latin Manuscript Codex Vindobonensis Palatinus 5179 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 15世紀にレジオモンタナスが手書きで作成した本があるそうです。 それをルーメン・コレーブが探し出しまして、このほど翻訳と研究内容を1冊の本にしましたので、ここにお知らせ致します。この作業には長い時間と たいへんな集中力を要しました。 このテキストは1459年にレジオモンタナスがまとめあげたものです。 ポルトガルの皇后エレノア（Empress Eleanor）の命令で、当時新しく生まれた息子マキシミリアン（Maximilian）の星占いのために作成されたものです。 37ページのテキストです。 ルーメンによるとレジオモンタナス自身が書いたものだそうです。このことと本の発生の由来から考えると、占星術の世界では貴重書といえるでしょう。 英語に翻訳された書籍は下記リンク先より購入できます。 皆さん、ご購入の上、ぜひお読みください。 http://www.babylonianastrology.com/index.php?page=shop.browse&category_id=6&option=com_virtuemart&Itemid=1 実は今年の春、ルーメンにこのレジオモンタナスの手書きの原稿の一部の写真を見せていただきました。原書は丁寧に、きれいに書かれていました。 ディグニティの表が出ていましたが、ドロセウスのトリプリシティを使っていました。 余談ですが、15世紀までの洋書の多くは手書きです。西洋で活字印刷が始まったのが15世紀半ばだからです。手書きの写本は聖書などの宗教関連書以外は大抵、発行部数は少ないものです。レジオモンタナスの本が実際に何部発行されたのか現時点で私にはわかりませんが、ルーメンによる翻訳書を読んで、この本のことを知りたいと思います。 ルーメン・コーレブの活躍はすばらしいです。 2007年は、エヌマ・アヌ・エンリル（アッカド語）の星座のタブレットの写しを苦労して入手した後、翻訳して、古代の星座の研究内容を公表しました。 イラク戦争（2003-2011）後、中東では環境だけでなくメソポタミアの研究環境も悪化しましたが、その中での資料探しは並大抵の苦労ではなかったと推測します。ルーメンは翌2008年は、粘土板のアストロラーベに記載された天体の年代特定について、アッシリアの学会で発表しています。 ********** プライマリーディレクションの刊行物で、vol.3.,vol.4が長年未発行でしたが、このレジオモンタナスのテキストの翻訳本を、vol.3.,vol.4.として購読者の方 には発送することになりました。この春にはその予定はなかったのですが、急遽そのようになりました。定期刊行物の発行は今回発行の書籍をもって完了とします。すべての購読者の皆様、ありがとうございました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Ⅱ. レジオモンタナス法 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ レジオモンタナスハウスシステムは、古典占星術を扱う人なら必ず聞いたことのあるハウスシステムです。古典占星術で使うからです。 レジオモンタナスのアングル（1,4,7,10のハウスカスプ）は、地平線と子午線（天頂・天の南極・天の北極を通る線）と、黄道との交点です。このアングル はプラシーダス、キャンパナス、共に同じです。 レジオモンタナスでは、地平線と子午線の2つの交点を通過する大円で各象限内の赤道を3等分する30分角の点を通過したものと、黄道との交点をハウスカスプとして使います。各象限の赤道を3等分した点を使うのがレジオモンタナスです。 さて皆さん、日本では近年間違ったレジオモンタナスの情報が一部で流れているをご存知でしょうか。 この記事は占星術はより正しい知識があってこそ、より適切に使われるということを、伝えるのが目的です。批判は意図していません。 主要な誤情報は次のものです。 ●近年、レジオモンタナス（レギオモンタナス）は、卯酉線(プライム・バーティカル)で12等分するようになっています。 ↑ 間違いです。一部の人の間で誤情報が流布しているに過ぎません。 ●レジオモンタナスはキャンパナスのハウスを半分ずらしたものです。 ↑ 間違いです。 このような間違いに加えて次のことを教えている人たちもいます。 ●ハウスカスプがどこであっても重要ではなく、鑑定では問題になりません。 ↑ 古典占星術の知識は、ゼロに等しいですが、このような判断方法は占星術そのものを扱えない一つの目安になるでしょう。 上記のような間違いは日本の一部だけにあります。私が調べた限り誤情報の源は１冊の和書の誤記です。付属のソフトウェアは本文の誤記とは異なり、早期にレジオモンタナスに修正済みとのことですから、何らかの理由があって本はそのまま出版社から出されてきたのでしょう。改訂版を出すことがあれば、ぜひ改訂していただきたいものです。 関連：http://www.starmedia.ne.jp/page19.html 怖いのは、この本とは別に、インターネット上にまことしやかに流れている誤情報をそのまま信じ込んでしまう人がいることです。いかに私がここに記事を 書いても誤情報は消えないと思います。実は今年と、ごく最近になってからも新たに誤情報を載せたサイトが出現しているからです。 古典占星術は、基礎から手を抜かずに勉強していれば、上記ような情報に遭遇しても誤情報だと判断できます。日本の誤情報の流布は、もしかすると今後、古典占星術の習得の際に一つのテストや罠か、ふるいのような役割になっていくかもしれません。 鑑定は人の人生に関与するものです。扱う情報、技術については、できる限り注意を払って精度を上げながら、誠実に鑑定を行いたいものです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Ⅲ. 知識の目的 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 誰にでも、本当の意味で成長に向うための理想というものがあります。 知識はその人が理想に向かうための、内的な、霊的な成長につながることが重要です。これはどの分野の勉強でも、社会勉強でも、人間関係でも、生活でも、そこに知識がある限り共通していることです。占星術を学ぶ場合も、同じです。 霊的な成長には、必ずといっていいほど忍耐が必要になります。忍耐は何らかの抑圧や苦しみを一方的に受容するような受身的なものではありません。忍耐は理想に向う際に伴う、積極的なもの、力となります。 忍耐があれば、いろんな知恵や知識が増すでしょう。 知識は、人生の中で生かしましょう。 生かす際は、創造性と愛が必要になります。 占星術で覚えた知識、占星術を通して学んだことは、人生で生かしましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆★ 編集後記 ★☆★ ・震災後の復興がまだはじまったばかりのところが、たくさんあります。その間に、竜巻や大雨の影響で被害を受けた場所が多数ありますが、各被災地におられる読者の方、皆様には心からお見舞い申し上げます。 ・皆様、お元気でしょうか。 この通信を配信している今日、東京の外は4月～5月並みに涼しいです。 昨日も涼しかったのですが、部屋の中は28度とやや暑いです。 ・2012年の1年間の動向（マンデン占星術）をサイトに掲載しました。しばらく掲載できなかったので、スターメディアを辞めてしまうのかとご心配 くださった方々がいらっしゃったのですが、ご利用くださる皆様のおかげで何とか続けております。ありがとうございます。（＾-＾） ・通信講座は現在のところ受講生を募集中です。 ご利用をお待ちしております。 ・夏季休業日のお知らせです。8月13日（月）～15日（水） お休みいたします。 それでは、皆様どうぞ健やかにこの夏をお過ごしください。 これからもよろしくお願い致します。 /_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ◆次号第46号は2012年9月頃にお届けする予定です。◆ それまでにメールが発行される場合は、臨時増刊号になります。 ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ このスターメディア通信はお申込みいただいたお客様に対して無料で配信されています。 配信中止、配信アドレスの変更、ご意見・ご要望は、  までどうぞ。～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ スターメディア通信 2012.7.22.第45号 発行責任者 森谷リリ子 * 著作権はスターメディアにあります。 転載・引用の際は、事前に必ずご連絡ください。 http://www.starmedia.ne.jp/ ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ |