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【スターメディア通信】 2013.4.29.第49号
I. 2つのアセンダント(ascendant)
II. 占いに依存しない占いの利用法
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I. 2つのアセンダント(ascendant)の話
  ホロスコープのアセンダントと地平線を使うプライマリーディレクション
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西洋占星術は、モダンも古典もホロスコープを使って占うのが一般的です。

ホロスコープの12サインはおひつじからうおまでありますが、これは黄道を12等分割したものです。黄道は太陽の通り道ですから、黄道上をぶれることなく動いているのは、まぎれもなく太陽だけです。

月や他の天体は、時折黄道上を通過することがありますが大抵は、黄道の北か南を運行しています。それでも各天体の位置は黄道座標で表します。
    
     * ←水星
     | ←垂線
----|-----|-----|-----  ← 黄道
    
上記のように水星が黄道から離れた場所にある場合、水星から黄道に垂線を下ろした位置が水星の黄道座標です。他の天体も同様の方法で黄道座標決まります。

さて、ホロスコープのアセンダントは、東の地平線と黄道の交点です。今、アセンダントがおうし3度だとします。仮に月が黄道から南に4度離れた場所に位置していても、黄道座標で読み取っておうし3度であれば、月が地平線より上か下かに関係なく、月はアセンダントにあることになります。これが西洋占星術のホロスコープであり、黄道座標を使う際の特徴です。

西洋占星術にはもう一つ、地平線と黄道の交点とは違うアセンダントがあります。このアセンダントは、東の地平線の天体の上昇点のことで、黄道との交点に限定されない幅広い範囲です。同様にディセンダントは西の地平線であり、黄道との交点に限定されない範囲です。この幅広いアセンダントやディセンダントは、古代の占星術で使われていたものであり、天文学で通常使っているものですが、西洋占星術ではプライマリーディレクションで使います。
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プライマリーディレクションのアングルへのムンドーディレクションを例に、このもう一つのアセンダントを簡単に説明します。

はじめに予備知識です。
地球の自転により、天体は東から西に移動して見えます。この方向をダイレクトといいます。逆向きをコンバースといいます。
地球は24時間で1回転しますが、単純計算で、4分間で1度回転しています。

2009年10月10日午前4時20分 場所:豊島区 を出生図とします。
豊島区:北緯34度43分 東経139度43分

アセンダントは おとめ28度33分 です。
金星は、おとめ23度38分 で、金星は地平線よりも上にあります。おとめの次のサインはてんびんなので、金星は赤道に近い位置にあることがわかります。黄道のてんびん0度は赤道との交点だからです。

この金星のアセンダントへのムンドーディレクションでは、生まれた時刻に地平線より上に出ている金星が、生まれた時刻よりも何分前に地平線の真上にあったのかを調べるのです。金星のアセンダントへのコンバースを調べるということです。その際は赤道座標を使って計算します。

プライマリーディレクションではこの時間をタイムアーク(弧)と呼び、タイムアークを人生の期間に置き換えます。この人生の期間への置き換えにはキーを使います。キーは、カルダン、ナイボット、トレミーなどあります。トレミーのキーは約4分間という時間を、人生の1年間としているためキーは1.0です。

この出生図で、金星のアセンダントへのコンバースをトレミーのキーを使って求めると、2016年1月30日です。(ソフトウェアPlacidus を使用して計算)。ちなみにカルダンでは 2016年3月1日、ナイボットでは2016年3月4日です。

確認ですが、このアセンダントは金星が実際に通過してきた東の地平線上の一点です。金星の天文学上の上昇点です。(あえてこの上昇点を出生図の黄道座標で読むなら、おとめ29度24分付近です)。

金星について、ホロスコープのアセンダントである黄道座標おとめ28度33分へのコンバースを求めると、トレミーのキーでは、2015年9月12日です。この黄道座標への値を求めたものをゾーディカルプライマリーと言いますが、ムンドーより精度が落ちると言われています。私も鑑定で確認しています。

プライマリーディレクションのアングルは天文学的であり、実際の観測に即したものです。東西の地平線がアセンダントとディセンダントです。子午線の頭上側がMCであり、地下の側がICです。このアングルは子午線と地平線に関して、黄道との交点をアングルとする西洋占星術のホロスコープとは違うということです。ホロスコープのアングルはこの交点で、黄道への垂線を引いた延長線上の天体がアングルにあることになるのです。

ここでお気づきになると思いますが、プライマリーディレクションや古代の占星術よりも、黄道座標を使う西洋占星術のホロスコープの方が、実は、かなり特殊だということです。黄道という直線である一次元に恒星や天体の位置情報落としこんで大まかに情報を読み取る技法だからです。

以上のことから、シンボリックディレクションや黄道座標を使ったソーラーアークディレクションのような1度1年法、元来のソーラーアークのような赤道座標での1度を1年としたものは、プライマリーディレクションと全く別のものであり、簡易的なプライマリーディレクションでもないことは明白です。

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II. 占いに依存しない占いの利用法
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自分でこうやりたいと決めたことが実現するか占うとします。

ホラリーなどで占えないという結果が出た時は、それこそ自分の考えでやりたいようにしたらいいのだろうと思います。

占える場合で、占った結果が、決めたことが実現しないというものだった場合ですが、自分にとってその行動が必要なことであれば、実行したらいいのです。

実現しないことが問題ではなくて、本人にとってはその過程やチャレンジが重要だからです。占う前から、薄々自分でもどこかおかしいと思っていて、占った結果を参考にしながら、よくよく現実的なことを確認したら実現できそうにないことがわかったら、自分でやらない方がいいと思ったらやめたらいいのだと思 います。

この自分でやったらいいのか、やらない方がいいのかは、占いや占い師が決めることではありません。ご本人が決めることです。

もし、占い師が、占った通りにやらないのはけしからんというようなら、その占い師は、他人の人生に無用に干渉しているだけなので、離れた方が良いと思います。

自分の人生ですから、納得のいくようにやったらいいのです。
自由といのはそれだけ自分に責任が伴いますが、それだけ強くなれます。

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★☆★ 編集後記 ★☆★
・皆様、いかがお過ごしでしょうか。
いよいよゴールデンウィークに突入しましたね。
遠くにお出かけになる方、山、海や川などに出向かれる方、十分な準備をしてお出かけください。

・以前、プライマリーディレクションの通信講座を開するつもりで用意していたのですが、他の通信講座の状況から、難易度が高すぎるかなと思うことがあり、開を見合わせています。今回の通信では、少しだけプライマリーディレクションについて触れました。

・自分で占ってみて、当たることが体験できれば、古典占星術でも何でも継続して占いを学ぶ動機になると思います。また、占いを活用する動機にもなるでしょう。

・皆さまにとって、毎日が物心両面で豊かなものとなりますよう念じています。
多くの出会いと経験に感謝の気持ちを込めて。
これからもよろしくお願い致します。

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◆次号第50号は2013年6-7月頃にお届けする予定です。◆
 それまでにメールが発行される場合は、臨時増刊号になります。
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スターメディア通信 2013.4.29.第49号
発行責任者 森谷リリ子
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