ディスポジターとリセプションのこと
次のことは、初級編Iのテキストに書いていることです。これは10年以上使っている知識ですが、当然ながら私固有のものではなく、古典占星術の基礎知識の一部に過ぎません。

ディスポジターの定義
エッセンシャルディグニティーの各区間に割り当てられた天体のこと。

リセプションの定義
ディスポジターへのアプリケーションのこと。


リセプションについて、ここではアスペクトの発生があります。マシャアラーや、17世紀のイギリスのテキストの一部分では、アスペクトのないものをリセプションとしているものがあります。

アブ・マシャーなどアラビア占星術では、上記の定義通りアスペクトがあります。現在は私の知る範囲では、この定義の使用が一般的です。


以下青文字の文は、私がこの間一部の受講生に送った手紙の概要です。
追記 2013.5.28. この手紙と類似したものはこの1ヵ月間数人が受け取っています。若干内容の異なるものを受け取っている人もいます。

リセプションは、中世アラビアと、17世紀ヨーロッパでは定義に相違があります。ヨーロッパで使われていたものを十分研究して、学校を設立した方がおられますが、その方の著書の巻末の用語の定義では、リセプションについて、アスペクトには言及していません。その箇所に習うなら、※※さんの書いている答えは正しい回答です。しかし、その本の本文にある成就の判定では、アスペクトがカギになっています。占断事例も同様です。この本は、リリーのChristian Astrology(CA)を読んで、リセプションやミューチュアルリセプションが判らない人が、最終的に占断で成就の判定ができるように組み立てられています。それでありながら、アラビア占星術の定義で学んできた人でも原理が理解できる内容です。それだけ際立って優れた本だと僭越ながら思うのですが、この2つの時代の両方で通じる技法がうまくまとめられていることをその本から理解するのは、かなり勉強して、相当量占断していないと無理です。またその本(HAR)を実際に精読して、チャートを調べていないと無理だろうと思います。

オリビア・バークレイのテキストの巻末の定義などを参考にすると、リセプションは、2つの天体の1つが相手のディスポジターになっているということ、ミューチュアルリセプションは互いにディスポジターだということです。しかしアラビアの占星術ではそこにアスペクトを定義に入れています。そしてそのアスペクトが事の成就に関係します。バークレイもアスペクトの関わりと成就について本で解説しています。

現在は、リセプションについて、このアラビア占星術の定義を使うのが私のよく知る古典占星術家の間では一般的です。ミューチュアルリセプションについても同様です。

私がこの手紙を送った受講生の中には、間違ったリセプションを事前に学習していた人が含まれていました。古典占星術の世界で見れば、このフロウリーのリセプションを学んだ人は希少です。リセプションでアスペクトを受け入れられないのは元々アラビア関連を全然読んでいないからだろうと思います。アラビアの占星術は基礎ではないということです。ペルシャに固執している場合は、フロウリーのものとも少し違うでしょうに。

受講生は学ぶ立場にある人です。リセプションについて違う時代のものなど教えているところで、両方をすり合わせる仲介者になるとか、片方の先生のための伝達者になるなど、基礎をまだ理解していない学ぶ段階にある受講生がすることではないです。そういうことをさせる先生は生徒の学習にマイナスです。その生徒はよほど暇なのかもしれませんが、結果は、両方の学校で特別に時間を注ぎこまねばならない覚えの悪い生徒とされてしまうでしょう。また、片方の学校には有害です。その生徒のためではなく、他校の先生のためにいつまでも情報を他の初心者の人以上に細かく丁寧に教え続けねばならないからです。こんなに学ぶ態度が悪く、覚えが悪いのになぜ教えているのかという疑問さえ湧いてきます。通信講座は自立した大人が受講するものだろうと思いますが、このようなケースに該当する人たちは、学習する姿勢を見直した方が良いです。お金を払っていれば何でも許されるというのは誤りです。また、何年たっても習得できないことは明白です。

注記:この記事は私の独断で書いたものであり、他の人は一切無関係です。

受講生を含めて、この記事を見てのメールや手紙での問い合わせは遠慮してください。受講生は特に、課題だけに集中してください。余計な物を持ちこまないように願います。

テキストの内容、課題、私の送った手紙ですが、著作権は私だけにあります。他校と併用している受講生は、受講内容を第三者に流出しないでください。受け取った人がネットに情報を垂れ流している現状を、知らないでは済まされません。実はそれが問題で、この記事を掲載しています。13-14年の間、たびたび私への著作権侵害が発生しているということです。

私と受講生との関係は、受講期間中という期間に限定して、その課題の範囲内でのみ教える立場と受講生(生徒)というものです。受講中はテキストや課題に沿って実力をつけることに集中してください。占うときは占断依頼者に対して、自分一人で占えることが大事です。先生の名前とか見せかけの看板は役に立ちません。古典占星術は我流・俺様流とは無関係です。厳然とした体系があります。


2013年5月27日新規

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