キシャヤスデ ― ヤスデの大量発生 ―

ヤスデの美脚ぶりは、歩行時に表れます。上から見ても、横から見ても、胴体の動きと一体化した波打つような足の動きは見事です。上げた足の裏を見る感じでヤスデの歩行を見上げると、一際美しく見えることがあります。落ち葉の中にいるヤスデをこっそりのぞくと、動きはおっとりとして、優しいです。ヤスデは腐葉土など食べて生きているため、自然界では土壌を耕す大事な存在です。

ヤスデはあまり人に好まれる姿をしていません。その形状の不気味さと、ヤスデが危険を察知したときに出す悪臭から、嫌う人が多く、不快害虫とされています。人間に悪さをしないのに、残念なことです。ただ、地域によって、大量発生したヤスデが屋内に沢山入ってくるのは困りものだと思います。


キシャヤスデの発生とホロスコープ

ヤスデはだいたい8年に1度、大量発生します。野山で発生したヤスデの大群が線路を横断している時に、運悪く列車が通ると、列車は沢山のヤスデを車輪で踏み潰してしまいます。つぶれたヤスデの身体からでた脂は、車輪を滑らせて、最終的に列車は停止します。ヤスデが列車を止めるため、キシャヤスデと呼ばれています。先日も九州でキシャヤスデが発生しました。その時間の天体配置から出来事を読み取りました。これはイベントチャートです。

読売新聞の記事(2010年11月21日(日)22時10分更新)より引用

21日午前6時50分頃、鹿児島県南九州市頴娃(えい)町のJR指宿枕崎線の御領―石垣間で、指宿発枕崎行き普通列車(1両、乗員乗客10人)の車輪が空転するトラブルがあった。

JR九州の発表によると、現場付近でムカデに似た節足動物のヤスデが異常発生。車輪につぶされたヤスデの脂が線路につき、滑ったことが原因という。


キシャヤスデの発生は、2010年11月21日(日)の日の出直前です。プラネタリーアワーは火星ですが、4分後に太陽が地平線から昇ると太陽の時間になります。

◎ 予備知識
地を這うヤスデはアセンダントのさそりが象徴です。
乗り物の走行・列車・線路は、水星、天王星、ふたご、第3ハウスが関与します。
車輪は、水星、天王星、おうしです。おうしはさそりと対極の位置です。
圧縮や轢くことは土星が表します。
事故は天王星、火星、第1ハウス、第3ハウスが関与します。
ヤスデの脂は、木星です。
ヤスデの色

サインのさそりが表す色は茶色、第1ハウスは白色か灰色です。記事のヤスデは、ヤンバルトサカヤスデといい、こげ茶色と薄茶色の縞模様で、基本的な色はホロスコープと合致しています。

ヤスデの大群の事故

ヤスデを表す天体はさそりのルーラーで、火星です。いてと木星は大群を表します。火星はいてにあり、木星とミューチュアルリセプションです。ヤスデの大群は、水星(車輪)により突発的(天王星)に轢かれる(土星:第3ハウスのルーラー)事故に遭遇しました。水星は第8ハウス(死)のルーラーでもあり、ここでは火星から分離した直後でありながら17分以内のため、多数が列車の下敷きになり死んでいることが伺えます。

火星と水星は、第3ハウスのルーラーの土星とセクスタイルです。これを分析します。

第1ハウスで火星は、土星と良い関係にある水星にアフリクト(悩ま)されています。いての第3トリプリシティーが土星、てんびんの第1トリプリシティーは水星で、土星と水星はミューチュアルリセプションです。水星は、第8ハウスのルーラーでもあります。

水星は、土星の害を受けている火星にアフリクトされています。火星はてんびんでデトリメントになるため、アスペクトの形成により土星の害を受け、同時に土星(および水星)に害を及ぼします。前者はヤスデの押し潰し、後者は自らの身体と脂を列車や線路に付着させることです。

列車・車輪の動きを封じたヤスデの脂

ヤスデの脂を表す木星は、うおにあります。水星はいてでデトリメント、ディスポジターの木星のあるうおではデトリメントかつフォールで、水星元来の力はますます発揮し難くなります。その木星とアスペクト(ここではスクエア)をとることで、木星(脂)に交通機関としての能力と動きを封じられてしまいました。

大事故には至らなかった

土星と水星はトリプリシティのミューチュアルリセプションで、土星の品位と位置が良く両者のアスペクトも良かったことから、水星は土星からは有害な作用は受けず、むしろ強固でした。火星の悪影響は、水星にとって良い関係にある土星で押さえ込まれました。また、土星が破壊的な作用をしなかったのは、土星の状態の良さ、ディスポジターの金星が同じ11ハウスにあること、更に、土星が木星のタームにあり、その木星が第4ハウスで品位が良いからでしょう。

列車の停止による影響

すでに大量のヤスデが被害を受けましたが、その後迷惑を被ったのは人間です。突然列車が停止したからです。乗り物に起きた出来事を読む場合、乗員・乗客は第1ハウスが表します。ここではカスプ付近の太陽が主たる印です。太陽は、旅行を表す第9ハウスの2番目のルーラーです。太陽はてんびんでフォールになるため、11ハウスの品位の良い土星は希望実現の遅延を暗示します。太陽は木星と天王星とトラインのアスペクトをとっていますがこの部分は、ヤスデの脂による突発的な出来事により、環境が急変すると読めます。第1ハウスのさそり、水星、火星はいずれも臭いを表します。現場では死んだヤスデの臭いが強かったと推測します。

乗員・乗客はヤスデの大群の線路の横断に遭遇して、列車が止まったことで快適な移動や旅が遅延した上に、たくさんのヤスデとヤスデの死骸を見て、さらに臭いまで嗅いでしまったのでしょう。

鉄道会社のこと

キシャヤスデが発生した時点で、品位の良い月が車輪を表すサインにあり、衛生や労働に関する第6ハウスにあります。月には元々清掃の意味がありますが、速やかに清掃作業に入ったと思います。
鉄道会社(第10ハウス)にとって、これは良い経験の機会になったと推測します。水星と土星の関係が良いからです。

噂や報道

土星は噂に関わる第3ハウスのルーラーでもあります。第11ハウスに位置していますから、社会に知られる出来事です。

通路の交差

第3ハウスカスプはやぎです。やぎには、十字や交差の意味があります。ヤスデの歩く道が、人間の作った線路と交差していたことを表しています。火星はやぎでエグザルテーションとなるため、ヤスデたちは活発に移動していたのでしょう。

2010年12月4日 新規

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