ハウスシステム・・・レジオモンタナスに関連して
先日、お客様があるチャートの情報を用意して鑑定をご依頼くださいました。

ホラリー占星術を独学で学び始めたところだそうで、国内のソフトウェアでレジオモンタナスを使って作成した、とのことでした。

そのチャートで試しに読もうと思ったのですが、ハウスカスプと天体の位置関係になぜか違和感を感じ、占い難いと思いました。そこで改めていつも使うソフトウェアPlacidus6.0でホロスコープを作り直しました。

なんと、あるハウスカスプでサインが違うじゃないですか!

念のためSolar Fireで確かめたのですが、これはPlacidusと同じです。1′違う箇所があったくらいです。

7〜8年ほど前だったか、米国と豪州で最も信頼されていると言われていたソフトウェアを2つ確認する機会があったのですが、その時レジオモンタナスについて、いずれもPlacidusとSolar Fireと同じ結果が出てくることを確認していました。なので、これ以上、確認する必要はないと思いました。

お客様には、作成し直したホロスコープで、占った結果をお伝えしました。事情もお伝えしました。


その後、手元にある和書で情報を確認し直したところ、なんと、私は今年の今週になって、次の事実を知りました。小曽根秋男氏の著書「Stargazer for Windows ではじめるパソコン占星学」(平成17年3月1日)の「さまざまなハウス分割法」。実は初めて読んだのですが、ここに書かれているレジオモンタナス法は、キャンパナス法ではないですか。キャンパナス法には、サイドリアル関係で使いそうなハウスシステムが掲載されています。

もしかすると日本国内には、他にも類似したものが出ているのかもしれませんね。占星暦のデータの精度は良いと思っていたのですが、ソフトウェアそのものを使っていなかったこと、古典占星術の世界に入ってから洋書一辺倒だったので、これは本当に盲点でした。

2011年12月4日記載。
* ソフトウェアはバージョンアップすべしです。

8月にこの記事を書いたのですが、最近、作者の方のサイトのしばらく前の日記でこの件の情報を確認したので、この記事を更新しています。ソフトウェアはバージョンアップすれば全く問題ないそうです。かなり昔の初期バージョンのみ上述のような違いがあって、その後は改善しているそうです。

* ここからの下の記事、一文のみより良い内容になるように本日若干修正しました。深緑色のところです。


それで、レジオモンタナスって何か、ですが、ここに簡単に書きます。


地平線と子午線は、2つの交点を作ります。地平線と黄道の東側の交点がアセンダントで、黄道座標で表します。西側はディセンダントです。MCとICは、子午線と黄道との交点の黄道座標で表します。地平線と子午線は、4つの象限(クォドラント)を作ります。各象限は同じ大きさです。
* イメージとしては、4等分で切り売りされているスイカです。

ここまでは、プラシーダスもキャンパナスも同じです。

レジオモンタナスの各象限内のハウスの分割方法は、日周運動、あるいは、地球の自転を考慮しているようで、いかにも古典占星術らしいです。

レジオモンタナスでは、各象限内の赤道を3等分する30分角の点と、地平線と子午線の2つの交点を通過する大円がハウスカスプで、その大円と黄道との交点がハウスカスプの黄道座標です。簡単に言うと、各象限の赤道を3等分した点を使うのがレジオモンタナスです。

各象限を時間で分割したものがプラシーダスです。

キャンパナスの象限内のハウスカスプは、地平線の大円を子午線の大円に重ねるために、30度等間隔で移動させた際に生じる4つの大円であり、その大円と黄道との交点が、ハウスカスプの黄道座標です。キャンパナスは観測点の鉛直線方向を重視しています。

冒頭の話に戻りますが、私は天体とハウスカスプの位置から、出来事の起こりやすい時期を読みたいと思ったのに、必要な情報が見出せなかったのが偶然にもキャンパナスのチャートでした。ハウスカスプをレジオモンタナス並に使うことができるかどうか、試す価値はあるかもしれませんが、また、いつか機会があれば、ということにしておきたいと思います。


8/14 16:20 追記:この記事は、キャンパナスとレジオモンタナスの優劣のことは一つも書いていません。私はある技法を使いたかっただけで、それがレジオモンタナスでないと使えなかっただけのことです。オーソドックスな天体間アスペクトとレセプションの部類を使えば、キャンパナスでも鑑定できましたが、それをしたくなかっただけす。

新規2011年8月13日 更新2011年12月4日
検索用語:レギオモンタヌス。

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