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古典占星術の主要なハウスシステムは、レジオモンタナス、プラシーダス、キャンパナス、ホールサインです。この4つのハウスシステムのどれを使っても、描いたホロスコープのハウスカスプは目で捉えた通りの線です。 下図は方位が描きこまれているため、ホールサイン以外のホロスコープとします。 ハウスとハウスの境界が、ハウスカスプです。第1ハウスカスプと第7ハウスカスプは、地平線と黄道の交点です。日の出時は、ホロスコープの第1ハウスカスプに示される地平線から太陽が昇ります。 ここで第1ハウスの領域の定義を書きます。 第1ハウスとは、第1ハウスカスプから第2ハウスカスプまでの領域のことです。 見てわかるように上の図の第1ハウスを灰色で塗りつぶしました。 さて、古典占星術では、ハウスカスプの5度手前の天体が次のハウスに強い影響力を持つことが知られています。次の図はハウスカスプの5度手前に点線を入れたものです。図では、太陽が第10ハウスカスプ5度手前の範囲内にあります。 ここで質問です。次の3つの質問に はい か いいえ で回答してください。 1. 図では太陽は第10ハウスにあって、第9ハウスにはありません。これは正しいですか。 2. 古典占星術では各ハウスはハウスカスプの5度前から次のハウスカスプの5度前です。 図の点線から次の点線までの領域が正しいハウスの領域です。これは正しいですか。 3. 2で はい と回答した人に質問です。上の赤字で書いた古典占星術の第1ハウスの領域の定義は実は間違いである。これは正しいですか。 正しくは、1,2ともに いいえ です。 3に関しても、いいえが正しいです。 ハウスは固定です。ハウスの領域の定義は、ネイタルでもホラリーでも、古典占星術のどの分野でも基本的に同じです。 この固定されたハウスに対して、動的な天体がどの位置で影響力を強めるのかというと、5度手前です。サインのカスプがどこに位置しようとも5度手前です。 典型的な間違いの例は、上の図で、点線から点線までがハウスの領域の定義だとするものです。中にはサインのカスプまで組み入れた誤認もあります。この間違った定義を使うと、昼夜の判別が正しくできません。ハウスカスプを使う技法で、判断能力が著しく落ちることがあります。 新規2012年1月29日4時00分 更新2012年6月11日
* 当初鑑定解釈の基礎を書きましたが、初級編を受講中の方にはまだ難しいので削除し、より初歩的な知識にまとめ直しました。 |