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古典占星術では、ハウス固有の支配星は存在しないことをハウスには支配星はないで書きました。 この内容は、初級編 I のテキストで理解できるものです。 しかし、それでも極めて強い信念のようなものがあり、土星は第12ハウスを支配している、金星は第5ハウス、月は第3ハウスの支配星だということを頑なに信じていた人たちがいました。私に質問を送ってきた人全員に共通していたのは、洋書を各自で読んでいたことです。 この根の深い誤解の最大の原因は、洋書の誤読と辞書の誤った扱いです。 ジョイの箇所は、通常の解説をそのまま読めば、ruleはそのハウスで「思いのままにする」という意味が出ます。これは英和辞典でも支配する、以外に確認できる意味です。しかし、この方たちは、ruleについては、「支配する」をそのままあてはめ、脳内で、「支配する」→「ハウスの支配星」と自動変換していました。 後でこんな内容の感想を送ってきた人がいます。「自分は洋書の本文を読むと、何となく、好きにそこで動くという意味かとは思ったのですが、それを自分で十分自覚できませんでした。その原因は、ruleという単語が、支配する以外に絶対に意味をもたないという頑固な思い込みがあったからです…」。 自分で英和辞典を引く(読む)習慣をもつことは本当に大切です。英和中辞典以上のものを使い、引く時はどんな意味があるか、全体を見た方がよいです。 それからこの本題とは直接には関係ないことですが、外国人なら誰でも正しい占星術の解説をするという思い込みは捨てた方がよいです。これは考えればわかることです。語学力よりも専門知識の理解力が問われるからです。 2013年3月14日新規
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