初めて伝統的占星術を学ぶ方へ
2004年10月1日更新
■ 伝統的占星術必読必携の本

伝統的占星術を理解して鑑定をするには、まず最初に次の2冊をお読みになることをお勧めします。

書名 Christian Astrology
著者   William Lilly(1602-1681)
初版:1647年 第2版:1659年 第3版:1985年(Regulus出版) その後リタイプ版がJustUs, Ascella(Spica),Astrology Classics等で出版
* 参考情報 *

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 Christian Astrology出版情報
書名 Horary Astrology Rediscovered
著者   Olivia Barclay,Q.H.P.(1919-2001)
出版年 1990  出版社 Schiffer Publishing,Ltd.
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この2冊を強くお勧め理由

違う時代に生きる二人の著者に共通している主な3点をあげてみました。

 ・古代からの占星術を研究していること。
 ・実践的に(鑑定で)理論を検証していること。
 ・占星術を後世に伝えるために惜しみない努力をしていること。

彼らの実践と研究により確認された情報の信頼性は極めて高いものと言えます。これはそれぞれの著書を読み、私たちが自ら鑑定で検証する中で確認することができます。

Christian Astrologyの優れた特徴は、主に以下の二つだと思います。
1. 基礎理論を丁寧・明瞭に説明していることと、古くから使われている技法について言及していることです。
  古代に使われた技法、また、古代より使われている技法のそれぞれについては、著者自らが検証し、有効な技法とそうでないものを記述しています。
2. 豊富な鑑定実例と厳選された情報がまとめられていることです。

Horary Astrology RediscoveredにはChristian Astrologyだけでなく古代から現代までの占星術を研究している著者だからこそ書ける説明があり、これによって私たちは伝統的占星術をより深く理解できるようになっています。優れた鑑定実例、占星術理論の歴史的な比較分析など、現代の優れた占星術家ならではの著書で、私たちが占星術の研究を掘り下げられるようにいくつかのテーマを残しています。
* 土星外惑星の取り扱いについても、実例を含んだ説明がでています。

著者オリビア・バークレイが冊子として出版したのはこの濃厚な内容の本1冊だけです。彼女の偉業は、20世紀後半に伝統的占星術の復興に全力を投じて、19世紀以降簡略化された占星術が普及拡大する中で、実質的に占星術の歴史の流れを変えたことでしょう。彼女は占星術の研究をする中で、17世紀に執筆されたリリーのChristian Astrologyの存在を知り、自ら博物館よりこの本を探し出して直接原書より当時の占星術を研究するグループを作りました。(使用された複写品はRegulus版のChristian Astrologyとして出版されています)。その後占星術の一つの分野であるホラリー占星術に関して、QHDCという学校を設立、多くの人を指導、古書の翻訳や歴史の研究をしていた人たちには適切な助言をして彼らの活動を影で支えてきました。彼女の偉業は数え切れないほどあります。
オリビア・バークレイは本物の占星術の研究と指導に力を注ぎ、亡くなる直前まで、多くの生徒の指導に当たっていました。
* 参考情報: Considerations Magazine Volume XVI,No.3. The Battle: Memoirs of a Horary Astrologer by Olivia Barclay
 

■ わからない言葉、わからないことがあったら
・本文をよく読む。
・占星術用語集・占星術事典を参照する。少なくとも1冊は用意する。
・英和中辞典以上のしっかりした英和辞典を用意する。
Christian Astrologyを読んでいると、いきなり新しい技法の用語が登場してきます。その言葉をメモに留めて、そのまま先に読み進めてしまいましょう。しばらくすると、用語の説明が出てきます。
Horary Astrology Rediscoveredには巻末に語句の説明がまとめられていて便利です。

気になる言葉についてもっと掘り下げたくなったら、他の本も参考にするとよいでしょう。Horary Astrology Rediscoveredなどにも参考文献が紹介されており、枝葉を広げて勉強するのに役立ちます。

辞書ご紹介
The Encyclopedia of Astrology by Nicholas De Vore 書名:The Encyclopedia of Astrology
著者:Nicholas De Vore

技法に関連した用語の説明が詳しいのが特徴です。
The Encyclopedia of Medical Astrology by Howard Leslie Cornell 書名:The Encyclopedia of Medical Astrology
著者:Howard Leslie Cornell

医療占星術の辞書ではありますが、医療以外の占星術全般に関しても情報が豊富です。非常に細かな具体的な情報がでているため有効です。実践的に鑑定をされる人には役立つでしょう。但し、冥王星が発見されたのが1930年、同辞書の初版が1933年のため冥王星に関する情報は少ないです。しかし、応用力をきかせれば、冥王星の働きも充分想定できるでしょう。



<推薦図書>
■ 枝葉を広げる

優れた書籍の参考文献には、有益な情報が書かれていることが多いでしょう。
特定の分野に的を絞って書いた本は、その分野の内容を掘り下げるのに有効です。
各時代の占星術の本を読むことで、その時代にどんな技法が使われていたのか知ることができます。そして基本的な考え方を深く分析し、理解するのに役立ち、どの方法を鑑定で利用したらいいのかヒントを与えてくれるでしょう。

当店の「推薦図書」のページには、お勧めしたい本の一部を掲載しています。

■ 正しく理解するために

人間は完璧ではないのでだれしも間違えて理解してしまうことがあります。独習でChristian Astrologyを隅々まで正しく理解できる人はそう多くはいないと思います。大抵の人はある程度自分で理解できるようになったら、自分の好みやニーズにあった学校に行くのが基礎をより正確に理解する上で助けになるだろうと私は思います。

しかし、そうは言っても状況や時期によっては独習が向いていることもありますし、本人の希望とは裏腹に独習せざるを得ない人がいるのも現実です。何が一番いいのかは人それぞれですが、常にあらゆる場面で貪欲に学び取る姿勢、応用する姿勢が必要だろうと思います。


■ 英語について

勉強のスタート地点は人によって千差万別。マイペースで最善を尽くす以外、道はありません。
スターメディアには毎年、洋書を読むのに苦労されたというメールが何通か届きます。その一部をここにをご紹介します。

★ 粘り強く読み続けたことで3年もしたら英語アレルギーがなくなっていました。

★ 英語は高校時代赤点でしたが、占星術を知りたくて、読んでいるうちに最近では大分スラスラと読めるようになってきまして、思わずいろんな本に手を伸ばして読んでいます。勉強を始める時期は人によって違うのかもしれませんね。

このページを書いている私も、実は英語はほとんど話せません。英語は高校生の頃頑張って勉強した程度で、長期間ブランクがあった後Christian Astrologyを読み始めました。最初は1日に2−3ページしか読めませんでした。連日英和辞書を引いていました。当時占星術の天体の記号も知らない占星術の入門者でもありましたから、用語も並行して覚えていきました。

一日にできることはごくわずかですが、結局は積み重ねなのだと思います。本当の占星術を知りたいという一念が、いつの間にか英語力を引き上げてくれたと思います。

年齢なども関係ないと思います。人それぞれですから、マイペースで好きなことに楽しく取り組むことが、多少の苦しさをも乗り越える力になるのでしょう。


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